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オールドレンズで撮り鉄の魅力倍増!おすすめ機材と失敗しない選び方

岩本雄二

岩本雄二

オーナーの岩本雄二です。 2011年3月に古物商として起業し、10年以上実店舗を運営してきました。
現在は無店舗型古物商として活動しています。

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こんにちは。【ブランドアンティーク弁天堂】、オーナーの「岩本雄二」です。

最近、最新のミラーレスカメラと昔のレンズを組み合わせて、ノスタルジックな鉄道の風景を撮影する方が増えていますね。最新のレンズが持つ隅々までクリアな描写も素晴らしいですが、古いレンズが持つ特有の光の滲みやふんわりとした柔らかい写りが、被写体である鉄道の持つ歴史的な雰囲気ととても相性が良いからかもしれません。

どんなオールドレンズがおすすめなのか、実際の作例ではどんな表現になるのか、夜間での撮影や鉄道模型の撮影にどう活かせるのか、マウントアダプターの選び方やフィルムとの相性など、気になるポイントがたくさんあるのではないでしょうか。

そこで今回は、アンティーク品やカメラの市場に普段から触れている私の視点で、オールドレンズを使った鉄道写真の楽しみ方から、中古品を選ぶ際の相場感、そして絶対に気をつけたい偽造品や詐欺サイトの注意点まで、たっぷりとお話ししていきたいなと思います。

この記事のポイント

  • オールドレンズを活用した鉄道写真の表現の魅力と撮影テクニック
  • 標準域から望遠域まで揃えたいおすすめのオールドレンズとフィルム
  • 中古カメラ市場における販売価格と買取価格の仕組みと相場
  • 悪質な偽造品や詐欺サイトから身を守るための確実な防衛策

オールドレンズで撮り鉄を楽しむ機材

オールドレンズで撮り鉄を楽しむ機材
イメージ:ブランドアンティーク弁天堂

最新のデジタルカメラに古いレンズを組み合わせることで、ノスタルジックでエモーショナルな鉄道風景を切り取ることができますね。ここでは、被写体や表現の意図に合わせたおすすめの機材について、普段から様々なアンティークカメラに触れている私の見解を交えながら、より具体的に深掘りしてご紹介します。

それぞれのレンズが持つ歴史的な背景や光学的特性を知ることで、撮影時のモチベーションもぐっと高まるはずです。

おすすめ標準レンズの魅力と作例

おすすめ標準レンズの魅力と作例
イメージ:ブランドアンティーク弁天堂

鉄道写真というと、遠くから列車を引き寄せて撮る「望遠レンズ」のイメージが強いかもしれません。しかし、駅舎のノスタルジックな佇まいを含めたスナップ的な撮影や、プラットフォームの空気感そのものを切り取るような表現では、人間の視野に近く自然な遠近感が得られる50mm前後の標準レンズが大活躍します。

まず、オールドレンズの入門として圧倒的な人気を誇るのが「CONTAX Carl Zeiss Planar T* 50mm F1.4 MMJ」です。フィルムカメラ時代から「標準レンズの帝王」と呼ばれてきたこのレンズは、コントラストの高さと、とろけるような美しいボケ味の両立において、素晴らしいの一言に尽きます。

例えば、夕暮れ時のホームに入線してくる車両を背景にぼかしつつ、手前の古い駅名標にピントを合わせるといった構図では、ツァイス特有の「T*(ティースター)コーティング」がもたらす深みのある発色が、鉄道の持つ鉄の質感を非常にリアルに描き出してくれます。

また、旅行先での撮影など、機材のコンパクトなサイズ感で選ぶなら、オリンパスの「G.ZUIKO 50mm F1.4」も作例とともによく推奨されている一本です。OMシステムのために設計されたこのレンズは、驚くほど小さく軽量でありながら、開放ではオールドレンズらしい柔らかな描写、少し絞ればキリッとした解像感を見せてくれます。

さらに、高級路線の代名詞であるライカMマウントのレンズも外せません。「神オールドレンズ」と称賛される「Summicron-M 35mm F2(7枚玉)」や、質の高い描写でポートレートから情景撮影までこなす「Summarit-M 50mm F2.5」などは、いつかは手にしてみたい憧れのレンズではないでしょうか。

ライカのレンズは空気感まで写し取ると言われますが、鄙びたローカル線の待合室などをモノクロームで撮影した時のトーンの豊かさは、他のレンズではなかなか真似できない領域ですね。

実際の作例としてよく話題に上るのが、千葉県の房総半島を走る「いすみ鉄道」での撮影です。いすみ鉄道は、昭和の面影を残す気動車(キハ)が走ることで有名ですが、ここに最新のフルサイズミラーレスである「LUMIX S5」を持ち込み、マウントアダプターを介してコシナ製の「VM-mount 40mm F1.4 NOKTON Classic」を装着した作例では、昭和のローカル線特有のノスタルジックな雰囲気が見事に再現されていました。

最新ボディのオートフォーカスや高感度耐性といった信頼性と、あえて収差を残した古い光学設計の「味」が融合した、非常に実用的なアプローチかなと思います。その結果、ただ古いだけの写真ではなく、現代のクオリティで蘇った情緒ある作品に仕上がるのです。

望遠レンズを使った編成撮りのコツ

望遠レンズを使った編成撮りのコツ
イメージ:ブランドアンティーク弁天堂

列車の先頭から最後尾までを画面いっぱいに収め、望遠レンズ特有の圧縮効果を活かして迫力ある構図を作る「編成撮り」には、やはり焦点距離の長いレンズが不可欠ですね。標準レンズとは全く異なるダイナミックな表現が可能になります。

少し短めの中望遠域で重宝するのが「アサヒペンタックス SMC Takumar 105mm F2.8」です。このレンズは105mmという中望遠でありながら非常にコンパクトで持ち運びやすく、しかも市場での価格がお手頃です。

初めてのオールドレンズとして50mmを手に入れた後、二本目のレンズとして画角の違いを楽しみたい方にはぴったりかもしれません。ポートレート用としても優秀なので、観光列車に乗る乗客の笑顔を遠くからスナップするような用途にも向いています。

そして、もっと本格的に遠くから編成を狙いたい方、特にカーブを曲がってくる列車の力強さを表現したい方に強くおすすめしたいのが、ニコンの「Ai-S NIKKOR 180mm F2.8 ED」です。このレンズは中古市場でも名玉として非常に高く評価されています。

このレンズの最大の特徴であり強みは、「ED(特殊低分散)ガラス」が採用されている点です。通常のガラスレンズを使用した場合、光の波長(色)によって屈折率が異なるため、どうしてもピントの位置にズレが生じます。

これが「色収差(フリンジ)」と呼ばれるもので、特に空をバックにした列車の輪郭や、架線などのエッジ部分に不自然な紫や緑の色づきとなって現れてしまいます。しかし、このEDガラスを採用することで色収差を極限まで抑え込むことができるのです。古いマニュアルフォーカスレンズでありながら、現代の高画素センサーという厳しい目で見ても十分な光学性能を持っている、まさにプロフェッショナルな要求に応える素晴らしいレンズです。

【補足】ブランド名にまつわる勘違いにご注意を

オールドレンズで有名な「Takumar(タクマー)」ですが、実在した著名な写真家「梶原琢磨(Takuma Kajiwara)」氏の名前が由来である、という噂を耳にすることがあります。梶原氏はアメリカで活躍し「最も偉大な7人の写真家の一人」とも称賛された実在の芸術家です。

確かに名前の響きはよく似ていますが、歴史的に調べてみても、梶原氏が旭光学(現在のリコーイメージング)のレンズ製造やブランド名の命名に直接的な関与をしたという因果関係は一切確認されていません。単なる都市伝説として広まった可能性が高いですね。工業製品のブランド名と歴史上の人物は、混同せずに分けて考える必要があります。

夜間撮影で活きる明るい開放F値

夜間撮影で活きる明るい開放F値
イメージ:ブランドアンティーク弁天堂

私が個人的にとても面白いと感じており、オールドレンズの意外なポテンシャルに驚かされているのが、夜間運行される蒸気機関車(SL)の撮影です。「SL人吉」や、一時話題を呼んだ特別運行の「SL鬼滅の刃」などの夜間撮影においては、驚くべきことに最新のシャープなレンズではなく、オールドレンズが重宝されています。

夜間の撮影は光量が極端に少なく、動く被写体をブレずに止めるためにはシャッタースピードを稼ぐ必要があるため、極めて過酷な条件となります。ここで威力を発揮するのが、現代の最新カメラが持つ驚異的なセンサー性能です。「SONY α7III」や「SONY α7RII」といった高感度に強い最新のフルサイズセンサーの力と、オールドレンズならではの「明るい開放F値(F1.4やF1.2など)」を組み合わせる手法が、多くの鉄道愛好家によって実践されています。

例えば、キヤノンの旧型FDレンズ(FD 50mm F1.4など)をマウントアダプターで装着して撮影したとします。最新のデジタルセンサーが暗闇の中のわずかな光を拾い上げ、そこに古いレンズ特有の「光の滲み」や「フレア」が加わることで、最新レンズでは単なる「暗い写真」になってしまう場面が、まるで映画のワンシーンのように変わります。

街灯や駅の照明がふんわりと滲み、闇夜に浮かび上がる夜汽車の重厚な金属の鈍い輝きと、力強く立ち上る白い蒸気が、とてもエモーショナルでドラマチックに切り取れるんですね。これは、光学的な「欠点(収差)」を逆手に取った、オールドレンズならではの最高の表現方法の一つだと思います。

鉄道模型をティルト撮影で捉える技

鉄道模型をティルト撮影で捉える技
イメージ:ブランドアンティーク弁天堂

実車の撮影だけでなく、机の上のマクロ領域である「鉄道模型の撮影」でも、オールドレンズが非常に特殊で専門的な活躍を見せています。ジオラマの中で走るNゲージやHOゲージの車両を本物のように撮りたい、というニーズは常に存在します。

しかし、鉄道模型のような極小の被写体にカメラをギリギリまで近づけてマクロ撮影をすると、ピントの合う範囲(被写界深度)が極端に浅くなってしまいます。その結果、列車の先頭車両の顔にはピントが合っていても、二両目以降はボケてしまい、最後尾までシャープに写すのは通常のレンズの構造上、物理的にほぼ不可能です。

これを解決するためにカメラの絞りをF22などに極端に絞り込んでも、「回折現象(小絞りボケ)」が発生してしまい、写真全体の解像度が落ちてしまいます。

ここで救世主として登場するのが「ティルトアダプター」とオールドレンズの組み合わせです。

オールドレンズで実現するパンフォーカス撮影

レンズの光軸を意図的に傾けることができる「ティルトアダプター」を使用し、「シャインプルーフの原理」と呼ばれる光学法則を応用したアオリ撮影(ティルト撮影)を行います。これにより、手前の先頭車両から奥の最後尾まで、ピント面を斜めに寝かせることができ、全体にピントがばっちり合った「パンフォーカス状態」の写真が撮れるようになります。

欧州鉄道模型などのディープな愛好家の間では、この高度な技術がすでに確立されているそうです。オールドレンズは単なるエモい「味」を楽しむだけでなく、物理的な被写界深度の制約を克服するための「特殊な光学ツール」としても実用的に使われているというのは、本当に驚きですね。

フィルム撮影にはISO200が最適

フィルム撮影にはISO200が最適
イメージ:ブランドアンティーク弁天堂

現代の便利なデジタルカメラのセンサーだけでなく、オールドレンズが本来設計された時代の通り、「フィルムカメラ」を使ってその魅力を100%味わいたいという方も根強く、また若い世代を中心に非常に増えています。その際、仕上がりを大きく左右するのが「どの感度のフィルムを選ぶか」という問題です。

市場にはISO 100、200、400といった感度のフィルムが存在しますが、専門家や熟練の愛好家の間では、「ISO 200」のカラーネガフィルムを常時ストックしておくことが圧倒的に推奨されています。なぜISO 200なのでしょうか。

ISO 400は曇りの日や少し暗い場所では便利ですが、晴天の屋外で明るいオールドレンズ(F1.4など)を開放付近で使おうとすると、シャッタースピードの限界(昔のカメラは1/1000秒までしかないことが多い)に達してしまい、露出オーバー(白飛び)になってしまうリスクがあります。逆にISO 100では、少しでも日が陰ると手ブレのリスクが高まります。ISO 200はその中間として非常に扱いやすく、さらに重要な点として、日本の湿気を含んだ柔らかな光の具合や、日本人の肌色に最も自然に馴染む発色特性があると言われています。これが、オールドレンズの持つレトロで温かみのある描写をさらに深みのある、愛おしいものに昇華させてくれるのです。

ただし現在、国内メーカーのフィルム生産縮小により、これらのISO 200フィルムは海外からの逆輸入品(コダックのColorPlus 200やGold 200など)が主流となっています。価格も以前に比べて高騰しているため、いざ撮影に行こうという時に手元に在庫を切らさないよう、インターネット通販などで3個パックや5個パックをまとめ買いしておくのが、最も安心で賢い運用方法かなと思います。

オールドレンズの撮り鉄向け購入ガイド

オールドレンズの撮り鉄向け購入ガイド
イメージ:ブランドアンティーク弁天堂

さて、魅力的な機材を見つけたら、次はいよいよ購入のステップですね。しかし、製造から数十年が経過した古い機材が流通する中古市場には、現代の新品家電を買うのとは全く異なる独自の価格構造や、絶対に気をつけておきたい落とし穴が存在します。

安全に、そして適正な価格で取引するためのポイントを、中古市場のリアルな視点から整理しておきましょう。

中古品の販売価格と買取価格の相場

中古品の販売価格と買取価格の相場
イメージ:ブランドアンティーク弁天堂

ネットでカメラやレンズの相場価格を調べるとき、多くの方が陥りがちな罠があります。それは、画面に表示されている金額が「販売価格(私たち消費者がお店から買うときの値段)」なのか、それとも「買取価格(業者が消費者から買い取ってくれる仕入れの値段)」なのかを混同してしまうことです。ここをしっかり区別することが、賢い買い物の第一歩です。

そもそも、古物営業法などの法的な市場通念においては、一度でもメーカーや正規代理店の流通網から外れて人の手に渡ったものは、すべて「中古品(古物)」として扱われます。たとえ購入後に一度も箱を開けていない「新品未開封品」であったとしても、二次流通市場に出た時点で中古品の扱いとなるのです。

特にオールドレンズに関しては、製造自体が数十年前に終了しているため、市場に流通している個体は例外なくすべて中古品という大前提に立つ必要があります。

モデル・状態市場における販売価格
AF 180mm F2.8D ED(オートフォーカス対応モデル)38,600円
Ai-S 180mm F2.8 ED(一般的な中古品・美品レベル)24,200円 ~ 29,800円
Ai-S 180mm F2.8 ED(動作未確認・長期保管品)ジャンク相当として著しく価格が低下

販売価格には、カメラ店の店舗運営費、ネットプラットフォームの手数料、万が一故障した際の保証費用、そして当然ながら販売者の利益が含まれています。また、レンズの光学系の状態(カビ、クモリ、バルサム切れの有無)、外観の綺麗さ(スレやアタリ傷)、ヘリコイドのトルク感などによって、同じレンズでも数万円単位で価格差が出ます。

一方、カメラ買取専門店などがウェブサイトで提示している「買取上限価格」は、業者が仕入れた後に清掃やオーバーホールを行い、利益を乗せて再販することを見込んで算定されるため、販売価格より必然的にかなり低くなります。また、同じ機種でもコンディションによって買取額には恐ろしいほどの開きが出ます。

カメラブランド・機種コンディション買取相場価格
ハッセルブラッド 503CW ボディ美品300,000円
ハッセルブラッド 503CW ボディ中古品(通常使用レベル)200,000円
オリンパス OM-1 ボディ美品40,000円
オリンパス OM-1 ボディ中古品(通常使用レベル)25,000円

相場の見極めが重要です

上記の表を見ていただくと分かる通り、高級機になればなるほど「完璧な美品」と「通常使用された中古品」の買取額の差は劇的に広がり、ハッセルブラッドのような中判カメラでは10万円もの査定差が出ることがあります。

自分がネットで見ている安い金額が「買取価格の表」なのか「販売価格」なのか、そして「どの程度のコンディションを想定しているのか」を見極めないと、相場から外れた高値掴みをして損をしてしまう可能性があります。正確な情報は公式サイトをご確認ください。※上記の価格や数値データはあくまで一般的な目安です。実際の相場は日々変動するため、購入や売却の最終的な判断は専門のカメラ買取店などにご相談ください。

マウントアダプターで手軽に装着

マウントアダプターで手軽に装着
イメージ:ブランドアンティーク弁天堂

現代のデジタルミラーレスカメラ(SONYのEマウント、NikonのZマウント、CanonのRFマウントなど)に、全く規格の違う昔のレンズを装着するには、両者の間を繋ぐ「マウントアダプター」が必須アイテムとなります。

マウントアダプターの役割は、単に物理的な結合を果たすだけでなく、「フランジバック」と呼ばれるレンズの後端からセンサーまでの距離を、当時のフィルムカメラと全く同じ長さに正確に補正することにあります。例えば、先ほど編成撮りでおすすめした「SMC Takumar 105mm F2.8」のような「M42マウント(ねじ込み式)」規格のレンズであれば、「K&F Concept KF-42E.P」などの安価で精度の高いマウントアダプターを使用することで、現代のカメラにカチッと容易に装着することができます。

昔はこうしたアダプターは非常に高価で特殊な部品でしたが、現在ではAmazonなどで数千円程度で手に入る実用性の高いアダプターが豊富に揃っています。メーカーの垣根を超えて様々なオールドレンズを一本の最新ボディで楽しめるようになったことが、現在のオールドレンズブームを世界的に後押ししている最も大きな要因と言えるでしょう。

偽造品やコピーライカの深刻な実態

偽造品やコピーライカの深刻な実態
イメージ:ブランドアンティーク弁天堂

ここからは、アンティーク品やブランド品を扱う立場として、皆様に非常に気をつけていただきたい、少し厳しいお話をします。オールドレンズや中古カメラ市場において、現在進行形で深刻な問題となっているのが、偽造品(フェイク品)の存在です。

カメラの歴史において古くから市場を混乱させてきたのが、旧ソ連(ロシア)製の「ゾルキー(Zorki)」や「フェド(FED)」などに代表される「コピーライカ」です。これらは第二次世界大戦後などに、オリジナルのバルナック・ライカに外観を巧妙に似せて大量生産されました。

見た目はライカのロゴが刻印されていてそっくりですが、工作精度や内部構造の信頼性は本物のライカに遠く及びません。ファインダーがすぐに曇ったり、距離計がズレてピントが合わなかったり、シャッター幕が劣化して光線漏れを起こしたりと実用性に欠けるものが大半です。現代の厳しい法的基準に照らし合わせれば、商標を偽造した「偽ブランド品」として没収されかねない代物です。

中には、これらを「本物のライカの修理用部品取り」として割り切って使うマニアックな愛好家もいますが、悪意を持って「本物の希少な軍用ライカだ」などと偽り、フリマアプリ等で高値で販売する詐欺的なケースが散見されます。また、レンズ周りのアクセサリーも標的になっています。例えば、本物のライカ純正レンズキャップ(シルバー)は重厚な真鍮製で作られており約14グラムの重さがありますが、素材をごまかした粗悪な黒いフェイク品はわずか4グラムしかなく、持った瞬間に不自然に軽いという明確な違いがあります。

偽造品の買取価値は「ゼロ」です

読者の皆様に絶対に理解しておいていただきたい絶対的な真実があります。それは、「フェイク品(偽物)の資産価値、および買取店での買取価値は完全にゼロである」ということです。

どれだけ精巧なスーパーコピー品であっても、正規の古物商許可を持った買取店で査定額がつく可能性は一切ありません。ネット上のオークションなどで「ライカ風」「レプリカ」として安く見かけても、絶対に手を出さないでください。偽造品の購入は、結果的に犯罪組織への資金提供に繋がり、私たちが愛する健全なカメラ市場を破壊する行為になってしまいます。

詐欺サイトを確実に見分ける防衛策

詐欺サイトを確実に見分ける防衛策
イメージ:ブランドアンティーク弁天堂

先ほどの偽造品問題と密接に結びついているのが、近年インターネット上で急増している「悪質な詐欺サイト(偽ショッピングサイト)」の存在です。カメラ機材だけでなく、時計やアンティーク品全般で被害が拡大しています。

手口としては、実在する正規の店舗から、商品画像やスタッフが書いた説明文をプログラムで無断で根こそぎコピーし、自社の偽装サイトに掲載するというものです。(例えば、愛知県名古屋市で北欧アクセサリーやアンティークを扱う正規の優良店「oldArt」さんの情報が、全く関係のない詐欺サイトに盗用されるといった悪質なケースが実際に報告されています。)

これらの詐欺サイトの最大の特徴は、「極美品」や「新品同様」といった非常に状態の良いレアなオールドレンズであるにもかかわらず、市場の平均価格から大きく逸脱した「非常識な低価格(70%オフなどの大幅な割引価格)」が設定されていることです。

粗悪な中国製のコピー品を本物と偽って販売している場合や、そもそも商品すら存在せず、お金を振り込んでも一切商品が届かない「代金詐取」、あるいは頼んだものとは全く違う価値のない偽造品が送られてくる被害が後を絶ちません。

警察庁のサイバー警察局でも、こうした偽ショッピングサイトへの厳重な注意喚起を行っています。(出典:警察庁サイバー警察局『偽ショッピングサイト・詐欺サイト対策』

悪質サイトを見抜くためのチェックポイント

  • 市場相場を著しく下回る異常な低価格(特に半額以下など)は、迷わず「100%詐欺」と疑うこと。うまい話はありません。
  • ブラウザのアドレスバーに鍵マーク(SSL通信)があっても、今は詐欺サイトも無料でSSLを取得しているため、それだけで信用しすぎないこと。
  • 会社概要ページを開き、記載されている住所が架空の空き地やマンションではないかGoogleマップで調べること。また、電話番号の記載がない、または適当な数字の羅列でないか確認すること。
  • 決済方法が「銀行振込」のみであり、振込先の口座名義が「会社名」ではなく「個人名(特に不自然な外国人名義)」の場合は、即座に取引を中止すること。

万が一、あやしい詐欺サイトで個人情報を入力してしまったり、お金を振り込んだのに連絡が取れなくなったり、偽造品を購入させられたりした場合は、決して一人で抱え込んだり泣き寝入りしたりせず、速やかに警察などの専門機関にご相談ください。

全国共通の警察相談専用電話「#9110」や、各都道府県警察のサイバー犯罪相談窓口が整備されています。相談する際は、取引画面のスクリーンショット、相手とのメールのやり取り、振込明細などの証拠を必ず保存しておきましょう。ご自身の財産や安全に関わる重大なことですので、自己判断せず、最終的な判断は専門家にご相談ください。

オールドレンズの撮り鉄を楽しむまとめ

さて、ここまでかなりの長文にわたり、オールドレンズを使った鉄道写真の奥深い魅力から、具体的なおすすめ機材とその描写力、そして中古市場に潜む危険から身を守るための重要な知識についてお話ししてきました。いかがだったでしょうか。

最新の機材でパキッと解像した鉄道写真も素晴らしいですが、古いレンズが持つ光学的特性や、それが作られた歴史的背景を理解して「オールドレンズ 撮り鉄」という趣味の世界に足を踏み入れると、写真の表現の幅が劇的に広がります。

しかし、それを安全に心から楽しむためには、良い機材を見つける眼力と同時に、悪質な偽造品や詐欺サイトから身を守るための「情報リテラシー」が不可欠ですね。私たち一人ひとりが正しい知識と警戒心を持つことこそが、詐欺を撲滅し、健全なカメラ文化・写真文化を次世代へと繋いでいく唯一の道だと思います。

【最後におまけの補足】当サイト「弁天堂」について

最後に少し余談となりますが、日本国内には「弁天堂」という名前の施設や企業が複数存在します。例えば、福島県の「奥之院弁天堂」(赤べこ伝説発祥の宗教施設)、横浜エリアの「株式会社弁天堂」(広告ポスティング業)、兵庫県淡路市の「有限会社弁天堂」(スイーツ製造業)などです。

これらは同名ではありますが、事業の目的も運営主体も全く異なる別組織であり、当サイト(ブランドアンティーク弁天堂:benten-do.com)といかなる因果関係も関連性もございません。
ネット検索などをされる際は、名称の響きだけで混同されないよう、少しだけご注意いただければと思います。

カメラ屋さんのジャンク籠やネットの信頼できる専門店で、ぜひあなただけの運命の一本を見つけてください。そして、休日はそのオールドレンズを連れて、あなただけのノスタルジックで素敵な鉄道の情景を切り取ってみてくださいね。

  • この記事を書いた人
岩本雄二

岩本雄二

オーナーの岩本雄二です。 2011年3月に古物商として起業し、10年以上実店舗を運営してきました。
現在は無店舗型古物商として活動しています。

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